皆さん、こんにちは。
埼玉県比企郡吉見町で屋根工事や外壁工事、雨漏り修理を手掛けている株式会社吉見スレート工業です。
秋が深まり、街路樹や庭の木々が鮮やかに色づき始める頃、私たちの家には一つの「落とし穴」が潜んでいます。それは、美しい季節の移ろいの後に訪れる、大量の落ち葉です。
特に日本の秋は、長引く秋雨や、時折やってくる台風の影響で大雨に見舞われることが少なくありません。この時、屋根から流れ落ちる雨水を受け止める雨樋に、舞い込んだ落ち葉や小枝が堆積し、徐々に排水路を塞いでいきます。
「少し水が溢れているだけ」と放置してしまうと、その詰まりが建物の最も深刻なトラブルである「雨漏り」をはじめ、家の寿命を縮める想像以上に恐ろしい被害を招くことをご存知でしょうか?
この記事では、あなたが気づきにくい雨樋詰まりの「4つの放置厳禁な被害」を徹底解説します。さらに、高額な修理費用をかける前に知っておきたいプロが実践する「最強の解消法と最新の予防策」をすべてご紹介します。
秋の間に適切な対策を講じることが、あなたの家を守る最大の鍵です。ぜひ最後まで読み、ご自宅の「秋の落とし穴」を未然に防ぎましょう。
【目次】
- 放置厳禁!雨樋の落ち葉詰まりが招く「4つの深刻な被害」
- なぜ秋は特に危険なのか?雨樋が詰まる「本当の原因」
- 【プロが教える最強対策】雨樋の詰まりを解消・予防する具体的な方法
- 費用はどれくらい?雨樋の清掃・修理の相場
- まとめ
1. 放置厳禁!雨樋の落ち葉詰まりが招く「4つの深刻な被害」

秋の落ち葉が雨樋に詰まると、「ただ水が溢れるだけ」と軽く見られがちですが、その影響は建物の寿命を縮めるほど深刻です。ここでは、雨樋の詰まりを放置することで発生する「4つの放置厳禁な被害」をプロの視点から解説します。
①最も危険な被害:「雨漏り」へ直結!軒天・外壁からの浸水と屋根裏への影響
雨樋が詰まると、行き場を失った雨水は横樋(軒樋)から溢れ出し、屋根の軒先や外壁を伝って流れ落ちます。この時、特に注意が必要なのが、屋根の先端部分にある軒天(のきてん)や鼻隠し(はなかくし)といった、普段雨水が直接当たらない箇所です。
軒天・外壁からの浸水
溢れた水がこれらの部位の小さな隙間やひび割れから侵入し、構造材を濡らします。
屋根裏への影響
浸水が続くと、最終的に屋根裏(小屋裏)まで水が到達し、天井裏にシミができたり、最悪の場合、室内の天井から水が滴り落ちる本格的な雨漏りに発展します。これは建物の木材を腐らせ、構造的な強度を一気に低下させる最も危険な被害です。
②建物を蝕む被害:外壁・基礎の劣化とカビ・藻の発生
詰まりによって溢れ出た雨水は、通常であれば地面に排水されるべき水路から外れ、外壁や家の基礎部分に叩きつけるように流れ落ちます。
外壁の劣化
常に水に晒されることで、外壁の塗装やコーティングが早く剥がれたり、ひび割れが拡大したりします。また、湿った状態が続くことでカビや藻が発生し、建物の美観を損なうだけでなく、外壁材自体の劣化を加速させます。
基礎への悪影響
基礎周りの地面が雨水で過度に浸食・軟弱化すると、家を支える地盤の安定性にも悪影響を及ぼしかねません。
③家の耐久性に関わる被害:湿気によるシロアリや害虫の誘引リスク
雨樋の詰まりは、建物の特定箇所に湿気を集中させます。特に木造建築にとって、この「湿気」こそが大きな敵です。
シロアリ被害の増加
シロアリは湿った木材を好みます。雨樋の溢れによる湿気が軒天や外壁、基礎周辺の木部に浸透すると、シロアリにとって格好の餌場と化します。シロアリが一度侵入すると、目に見えない内部構造から食い荒らされ、家の耐久性が大きく損なわれます。
害虫・害獣の巣
詰まった落ち葉や溜まった水は、蚊などの害虫の発生源になるほか、ネズミや鳥などが巣を作る温床にもなり、衛生的な問題を引き起こします。
④ 雨樋自体の被害:水の重みや凍結による雨樋の破損・脱落
雨樋に落ち葉や泥が堆積し、さらに雨水が溜まると、設計時の想定をはるかに超える大きな負荷が雨樋全体にかかります。
金具・本体の破損
重みに耐えきれず、雨樋を支える金具が曲がったり、外れたりします。本体の塩化ビニールが破損してひび割れ、雨樋の機能が完全に停止してしまうケースも少なくありません。
冬季の凍結リスク
特に寒冷地では、詰まりで溜まった水が冬季に凍結し、体積が増えることで内側から雨樋を破壊します。一度破損した雨樋は修復が難しく、高額な交換費用が発生する最大の原因となります。
2. なぜ秋は特に危険なのか?雨樋が詰まる「本当の原因」

対策を講じる前に、なぜ雨樋が詰まるのか、その原因を知ることが重要です。特に秋は以下の要因で詰まりが多発します。
季節的要因
集中して大量に葉が落ちる落葉期(10月~12月)が最大の原因です。雨水で湿った落ち葉が雨樋のカーブや縦樋(たてどい)の入口である集水器に流れ込み、すぐに堰き止められてしまいます。
詰まりの正体
落ち葉だけでなく、屋根に積もった土、砂ぼこり、苔の破片などが雨水と一緒に流れ込みます。これらの泥や砂と落ち葉が混ざり、時間が経つと腐敗して腐葉土化します。腐葉土は非常に頑固で、通常の雨では流れず、まるでコンクリートのように固まって排水口を完全に塞いでしまうのです。
台風・強風の影響
秋口に多い台風や強風は、周囲の木々の小枝やゴミ、ビニール片などを巻き上げ、雨樋へと運んでくるため、詰まりを助長します。
3. 【プロが教える最強対策】雨樋の詰まりを解消・予防する具体的な方法

深刻な被害を未然に防ぐため、プロの目線から「今すべき解消法」と「未来のための予防策」をご紹介します。
自分でできる「詰まり解消」と「セルフチェック」
軽度な詰まりや、プロを呼ぶ前に試したいセルフチェックのポイントです。
具体的な方法と注意点
掃除のベストタイミングは落葉後(11月頃)と梅雨前(4月~5月)の年2回が理想です。落ち葉が舞い終わった直後の秋の清掃は特に重要です。
詰まりのセルフチェック 大雨の際に、雨樋のどこから水が滝のように溢れているかを確認します。また、縦樋の入口にある集水器を地上から覗き込み、落ち葉が詰まっていないか確認しましょう。
自分でできる清掃法
1階の雨樋など、安全に手が届く範囲であれば、長めの火ばさみやトングで落ち葉を取り除くことができます。縦樋の詰まりには、ホームセンターで売っているパイプクリーナーや高圧洗浄機(ノズルが細いもの)で水を押し込む方法が有効です。
ただし、2階以上の高所作業は絶対に避けてください。 転落事故のリスクが非常に高く、梯子からの落下は命に関わります。高所は必ず専門業者に依頼しましょう。
【最強の予防策】再発を防ぐためのアイテムと施工
何度も発生する詰まりを根本的に解決し、メンテナンスの頻度を減らすのが「予防策」です。
(1) プロが勧める定番対策:落ち葉よけネット(雨樋ガード)の設置
最も費用対効果が高く、プロが推奨する予防策が、雨樋の溝に設置する落ち葉よけネット(雨樋ガード)です。
仕組みと効果
ネットやカバーで雨樋の開口部を覆うことで、雨水だけを通し、落ち葉や小枝の侵入を90%以上ブロックします。ネットの上に落ちた葉は、風で簡単に吹き飛ばされるため、雨樋の中に溜まりません。
選び方のポイント
耐久性の高い金属製(アルミ・ステンレス)や強化プラスチック製を選びましょう。安価なネットは紫外線で劣化しやすく、数年でボロボロになるため、かえってゴミを増やす原因になりかねません。
(2) 専門業者による定期的なメンテナンス
予防策を講じても、土埃や細かな砂はわずかに溜まります。建物を長持ちさせるために、プロによる定期点検は欠かせません。
安全の確保
専門の足場や工具を使用するため、高所作業でも安全・確実です。
徹底的な清掃
高圧洗浄機や専用の清掃ツールで、素人では取れない腐葉土化した頑固な詰まりや、縦樋の奥の詰まりまで除去します。
雨樋の診断
詰まりだけでなく、金具の緩み、本体のひび割れなど、雨漏りにつながる初期の劣化を見つけ、補修できます。
4. 費用はどれくらい?雨樋の清掃・修理の相場

雨樋のトラブルは、放置して雨漏りになってから修理する方が、はるかに高額になります。予防と早期対応が経済的です。
※以下費用相場は一般的な目安になります。建物の状況や作業範囲によって金額は変動しますので、詳細や正確なお見積もりについては、お気軽にお問い合わせください。
詰まり清掃(軽度)
費用相場: ¥10,000~¥30,000程度 / 箇所
費用の注意点: 1階のみ、梯子や脚立で届く範囲の場合。
詰まり清掃(重度・高所含む)
費用相場: ¥25,000~¥60,000程度 / 箇所
費用の注意点:2階以上で棟全体の清掃に足場が必要な場合には別途費用が発生します。(足場費:¥200,000~¥300,000程度)
落ち葉よけネット設置
費用相場: ¥3,000~¥6,000程度 / m(材料費+施工費)
費用の注意点: 雨樋の総延長と製品の種類によって大きく変動します。
雨樋の部分修理・交換
費用相場: ¥30,000~¥100,000程度 / 箇所
費用の注意点:詰まりで本体が破損した場合の交換。
2階以上の作業で足場が必要な場合は別途費用が発生します。(足場費:¥200,000~¥300,000程度)
【プロ業者選定のポイント】
費用を抑え、質の高い施工を受けるためには、必ず複数の業者から相見積もりを取りましょう。その際、地元の施工実績が豊富で、明確な工事内容を提示している業者を選ぶと良いでしょう。
まとめ
この記事では、雨樋の落ち葉詰まりが招く雨漏りやシロアリ被害といった深刻なリスクと、落ち葉よけネットの設置や定期清掃といった具体的な最強対策をご紹介しました。
雨樋は、あなたの家を雨水から守る最後の砦です。特に落ち葉の季節である秋こそ、ご自宅の雨樋の状態をセルフチェックし、高所の点検・清掃はプロに任せる賢明な判断が、建物を長寿命化させる鍵となります。
放置せず、今年こそ「最強の対策」を始めませんか?
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