皆さん、こんにちは。
埼玉県比企郡吉見町で建築板金職人として屋根工事を手掛けている吉見スレート工業です。
ここ数年、屋根工事の訪問業者に「屋根の板金が浮いている」と言われ、心配だがどうしたら良いのか分からず困っている、というお問い合わせが増えています。もしかしたらそれは、闇バイトの業者かもしれません...
皆さんは、自宅の屋根の板金が浮いていると言われて、すぐにピン!ときますか?
普段から目にする機会がなく、自分自身では確認することが難しいので、『屋根』は思い浮かんでも、そこに付帯する『板金』はあまり馴染みがない、という方も多いことでしょう。
しかし、ご安心ください。この記事では、屋根の板金が浮いている状態とその原因、放置した場合のリスク、そして焦らずに対処するための方法についてご説明します。
はじめに
参考:施工事例「川島町 農業用倉庫 外壁リフォーム工事」
屋根の板金は、屋根の中でも特に負荷のかかる場所を補強する役割があります。屋根のてっぺんにある棟板金、谷部分で雨や雪があつまる全てに設置する谷板金、軒から軒先にかけて取り付けるケラバ板金、2階の外壁と1階(下屋)との境目や軒先に使われる水切り板金など、一言に『板金』と言っても、種類は様々です。
訪問業者の指摘や説明が真実かどうかは別として、これらの各種板金は健康な屋根の維持のためにそれぞれ重要な部材なので、定期的な点検や補修が必要となります。
屋根の板金が浮いているとは?
屋根の板金が浮いている状態とは、文字通り、屋根を覆っている板金が本来の位置から浮き上がっている状態です。下記の画像のように、板金と板金の間に隙間ができていたり、板金がめくれ上がっているように見えることがあります。
『板金が浮いている』と言われるのは、大抵この棟板金です。
【放置するとどうなる?】
屋根の板金が浮いたままの状態を放置すると、以下のような問題を引き起こします。
雨漏り
板金の隙間から雨水が侵入し、天井や壁にシミができたり、カビが生えたりする原因となります。放置すると、構造材まで腐食し、建物の寿命を縮める恐れがあります。
建物構造の損傷
雨水が構造材に浸透し、腐食やシロアリ被害を引き起こす可能性があります。特に、木造住宅の場合、構造材の腐食は建物の強度を著しく低下させ、倒壊の危険性すら孕みます。
修繕費の高騰
早期に対応すれば比較的安価で済むことが多い部分修理も、放置すると大規模な修繕が必要となり、費用が大幅に高額になる可能性があります。
二次災害
強風などで板金が剥がれ落ち、人や物を傷つける危険性もあります。
【具体的な被害例】
天井や壁にシミができる
雨水が侵入し、天井や壁にシミができることで、見た目が悪くなるだけでなく、壁紙の剥がれやクロス交換が必要になる場合があります。
カビやダニの発生
湿気がこもりやすい環境になると、カビやダニが発生しやすくなります。これらは、アレルギーの原因となるだけでなく、その他の健康被害を引き起こすことも考えられます。
電気系統のショート
雨水が電気系統に侵入し、ショートや漏電を引き起こす可能性があります。火災の原因にもなりかねません。
屋根の板金が浮く原因は何?
屋根の板金が浮いてしまう原因は、大きく分けて以下のものが考えられます。
【経年劣化】
釘の緩み
板金を固定している釘が経年劣化によって緩み、10年程度で板金が浮いてしまうことがあります。特に、高温多湿な日本の気候では、釘が錆びて抜けやすくなるケースも少なくありません。
コーキングの劣化
板金と板金の接合部分に塗布されているコーキングが経年劣化によって硬化したり、ひび割れを起こしたりすることで、雨水が侵入しやすくなり、板金が浮いてしまうことがあります。
【自然災害】
台風や強風
台風や強風によって、強い力が屋根に掛かり、板金が剥がれたり、浮き上がったりすることがあります。
地震
地震によって建物が大きく揺れることで、板金が固定されている部分が緩み、浮いてしまうことがあります。
【施工不良】
釘打ち不足
施工時に釘が十分に打ち込まれていなかったり本数が適正でない場合、板金が浮きやすくなります。
コーキングの施工不良
コーキングが適切に施工されていない場合、雨水が侵入しやすくなり、板金が浮いてしまう原因となります。
【外的要因】
動物による被害
ネズミや鳥などが屋根裏に巣を作り、板金を傷つけたり、巣材を詰め込んだりすることで、板金が浮いてしまうことがあります。
樹木による影響
屋根に覆いかぶさるように生えている樹木の枝が、風で揺れたり、雨水によって腐食したりすることで、板金が傷つき、浮いてしまうことがあります。
まとめ屋根の板金が浮く原因は、経年劣化、自然災害、施工不良、外的要因など、様々なものが考えられます。これらの原因を複合的に抱えているケースも少なくありません。
[画像:各原因ごとの画像やイラストを挿入し、視覚的に分かりやすく説明]
屋根の板金が浮いているサイン
屋根の板金が浮いている可能性を示すサインを5つご紹介します。
1. 屋根裏の湿気
屋根裏に湿気を感じたり、特に2階の部屋や廊下にカビが生えていたりする場合、雨漏りの可能性があります。その雨漏りの原因の一つに、屋根の板金が浮いていることが考えられます。板金の隙間から雨水が侵入し、屋根裏を湿らせカビを発生させているのかもしれません。
2. 天井や壁のシミ
天井や壁に薄い茶色や黄色のシミができている場合は、雨漏りが発生している可能性が高いです。シミの形状や位置によっては、雨漏りの原因となる箇所を特定できることもあります。
3. 外壁の汚れ
外壁の特定の場所にだけ汚れが集中している場合、雨水が流れ落ちてきている可能性があります。雨漏りの原因が屋根にある場合は、外壁に汚れが付着することがあります。
4. 屋根の異音
風が吹いたときに、屋根から金属音のような異音がする場合は、板金が緩んでいたり、浮いていたりする可能性があります。また、雨音が普段より大きく聞こえる場合も、雨漏りのサインかもしれません。
5. 屋根材の浮き上がり
屋根の表面をよく観察すると割れや欠けを発見する場合があります。それらも、板金が浮き上がっていたり、剥がれかけている部分があるサインかもしれません。肉眼で確認できる場合は、早急に専門業者に相談しましょう。
屋根の板金が浮いていると言われたら、まず何をすべき?
「屋根の板金が浮いている」と指摘された時、多くの方は慌ててしまうかもしれません。しかし、正しい対処法を知り、事態を悪化させることなく適切な解決策を見つけましょう。
1. 冷静になる
まず大切なことは、冷静になることです。慌てて判断すると、後々後悔する可能性があります。複数の業者に見積もりを取ったり、専門家の意見を聞いたりすることで、冷静に状況を判断しましょう。
2. 複数の業者に見積もりを取る
複数の業者に見積もりを依頼し、比較検討することが重要です。業者によって、診断結果や見積額は異なることがあります。複数の意見を聞くことで、より客観的な判断が可能になります。
3. 業者の選び方
業者を選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。
実績と経験
屋根工事の経験が豊富で、実績のある業者を選ぶようにしましょう。地元で長く営業している業者であれば、地域の気候や環境に適した工事が可能です。
評判
過去の顧客からの評判を調べてみましょう。インターネット上の口コミサイトなどを参考にすると良いでしょう。
対応の丁寧さ
相談時の対応が丁寧で、疑問に思っていることを何でも聞ける業者を選びましょう。
4. 契約内容をしっかりと確認する
契約書の内容をしっかりと確認し、不明な点は必ず質問しましょう。特に、工事内容、費用、工期、支払い方法などは、しっかりと確認することが大切です。
5. 補助金制度の有無を確認する
自治体によっては、屋根の修理費用を補助してくれる制度がある場合があります。自治体や専門業者に問い合わせて、補助金制度の有無を確認しましょう。
6. 焦らずに決定する
複数の業者に見積もりを取り、十分に検討した上で、後で後悔することの無いように落ち着いて契約を結ぶようにしましょう。
まとめ
もしも本当に屋根の板金が浮いていたら、浮いてしまった部分の釘の打ち替えや打ち増し、ビスへの交換、コーキングの補修、板金が傷んでいれば新たに金属製のガルバリウム鋼板での交換など、原因によって修繕の方法は異なります。
単に浮いている板金を留め直すだけでは、あまり意味がありません。
住まいの屋根を長持ちさせるためには、どのような施工が適切かを判断できる屋根・板金の専門業者に依頼することをおすすめいたします。
熟練したプロの建築板金職人による屋根リフォーム工事と各種板金工事は、吉見スレート工業にお任せください!!🔨