皆さん、こんにちは。
埼玉県比企郡吉見町で屋根工事を手掛けている吉見スレート工業です。
建物の屋根は、快適な住空間を確保し,災害から私たちを守る重要な役割を担っていますが、雨や風、紫外線などの影響を最も受けやすい場所でもあります。
新築したときから日々経年劣化は進むため、屋根そのものが割れや腐食により機能性を維持できなくなったときや、雨漏りなどの不具合が部分補修では解決できないときには、屋根のリフォーム工事が必要となります。
そこで本日は、屋根リフォーム工事の『葺き替え工法』と『カバー工法』それぞれのメリットとデメリットをご紹介いたしますので、ぜひ工事を依頼する際のご参考になさってください。
はじめに
住まいの屋根は、その材質や地域によって異なりますが、一般的に15~20年程度の寿命であるといわれています。スレート(コロニアル)屋根であればヒビ割れや反り、瓦屋根であれば割れや欠け、金属屋根であれば錆びや穴あきなど、症状は様々ですが確実に寿命が訪れます。寿命が訪れてしまった屋根は、本来の"人と住まいを守る”という機能性を失うため、屋根材ごとに適したタイミングのリフォーム工事で、その役割をよみがえらせることが重要です。
屋根材ごとの寿命
築年数の経過や立地環境の影響により屋根の劣化が進んでいても、天井のシミや雨漏りが発生するまで、それに気が付かない場合があります。また、普段の生活においてお客様自身が屋根にのぼって確認する機会もなかなか無く、その行為自体に危険が伴いますので、リフォーム工事の目安として屋根材ごとの寿命を知っておくと良いでしょう。
日本瓦(陶器瓦) 50年~100年
セメント瓦 30年~40年
トタン屋根 10年~20年
スレート屋根(カラーベスト・コロニアル)20年~30年
アスファルトシングル 10年~20年
ガルバリウム鋼板 25年~35年
※屋根材の寿命は環境によって異なります。
屋根リフォームが必要なサイン
住まいの屋根がメンテナンスの時期にさしかかると、様々なサインを出して私たちに教えてくれます。このサインにいち早く気が付くことが出来れば部分補修だけで済みますが、劣化の始まりを見逃して放置していると屋根全体のリフォームが必要となります。
【雨漏り】
天井のシミや室内への水の侵入は、屋根や下地材に不具合が発生しているサインの1つです。すべての雨漏りに屋根のリフォーム工事が必要となるわけではありませんが、直しても雨漏りが再発する場合は下地の腐食が広がっている可能性があります。
【色褪せ】
施工後10年を超えた一般住宅のスレート屋根(コロニアルやカラーベスト)は色褪せが起こります。色褪せは、塗膜が剥がれ防水能力を失った証拠です。
【ヒビ割れ】
屋根のヒビ割れや亀裂は、そこから侵入した雨が下地材を腐らせてしまいます。そのような箇所が多数見られる場合は、塗装では対応できない場合が多いです。
【苔の繁殖】
スレート屋根(コロニアルやカラーベスト)は経年劣化で塗膜が剥がれると、雨や湿気などの水分を含みやすくなり、苔が繁殖します。苔が生えた部分は水はけが悪いためになかなか乾かず、湿った状態が長く続くので、屋根全体の腐食の原因となります。
【錆びの発生】
トタン屋根は金属のため、錆びの発生が起こります。部分的な錆びの発生であれば緊急性はありませんが、錆が進んだまま放置すると穴が開き、雨漏りなどに繋がります。
【隙間やズレ】
台風や地震などの自然災害により、瓦の割れ隙間、ズレが生じると、雨漏りの原因となるだけでなく、落下や吹き飛ばされる可能性があり大変危険です。隙間やズレがある屋根は、固定している補強材の劣化も進んでいる可能性があります。
葺き替え工法とカバー工法の違いは?
屋根工事の中で大型リフォームと言えば、『葺き替え工法』と『カバー工法』が挙げられます。どちらも屋根材を新設する工事ですが、工期やコストの面で違いがあり、また、屋根材ごとに向き不向きがあります。それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
【葺き替え工法】
葺き替え工法とは、既存の屋根材をすべて撤去し、新しい屋根材に張り替える工事の方法です。屋根材の木下地や防水材などもすべて新しいものに交換するため、屋根の耐久性を大幅に向上させることができます。また、近年では耐震対策として軽い屋根への葺き替えを希望されるお客様も増えています。
葺き替え工事のメリット
・新しい屋根になるので、次のメンテナンス期間が長くなる
・既存の屋根を撤去する際に下地材の劣化や腐食の点検ができる
・野地板やルーフィングなどの防水紙も交換することで雨漏りの リスクを減らすことができる
・これまでとは違う屋根材を使用できるため外観のイメージチェンジができる
・軽い屋根材を使用することにより耐震性をアップできる
葺き替え工事のデメリット
・大規模な工事なので工期が長くかかる
・既存屋根を撤去するため大量の廃材がでるため処分費用がかかる。特にアスベスト含有のコロニアルやカラーベスト等のスレート屋根の処分費用は高額である
・すべての既存屋根を撤去する必要があるため、雨が降る場合は工事が延期になる場合がある
工期の目安
・足場設置から2週間から20日程度で全工事が完了
【カバー工法】
カバー工法とは、既存の屋根材をそのまま残し、上から新しい屋根材を被せる工事の方法です。ほとんどの場合、軽量なガルバリウム鋼板などの金属屋根を使用します。
カバー工法のメリット
・既存屋根を撤去する工程が無いため葺き替え工法と比べて工期が短い
・既存の屋根はそのままなので、撤去や廃材処分の費用がかからない
・作業員の安全を確保した上で、多少の雨であれば工事が可能。
カバー工法のデメリット
・既存の屋根に施工できる屋根材が限られている
・屋根の重量が増すため、耐震性がダウンする
・太陽光発電などの設置が難しくなる
・雨漏りなどのトラブルが発生した際には修理が困難な場合がある
工期の目安
・足場設置から10日~2週間程度で全工事が完了
屋根材ごとの向き不向き
屋根材ごとに、葺き替え工法とカバー工法のどちらが適しているかは異なります。
スレート屋根
スレート屋根は、軽量で施工が容易なため、カバー工法に適しています。ただし、スレート屋根は耐久性が低いため、10~15年程度を目安に葺き替え工事を行うと良いとされています。また、スレート屋根の建物は瓦屋根の重さに耐えられる構造ではないため、スレート屋根を瓦屋根にするのはおすすめできません。
瓦屋根
瓦屋根は、瓦1枚1枚が波型の形状をしているため、屋根面がフラットである必要があるカバー工法は不向きです。古い瓦を撤去して新しい瓦を葺き戻すか、軽量のガルバリウム鋼板を使った葺き替え工法が適しています。
金属屋根
トタン屋根は、強度が低く錆びやすいため、下地材までダメージが進行しているケースが多いので、カバー工法では全体補修を行えない場合があります。
ガルバリウム鋼板の屋根は、トタンに比べると遥かに耐久性が高く、長期間使い続けることができます。葺き替え工法とカバー工法、どちらの施工も可能ですが、一般的には葺き替えることが推奨されています。軽量であることや、コスト、メンテナンスの頻度を考えると非常にバランスの良い屋根材です。
まとめ
屋根の葺き替え工法とカバー工法には、それぞれメリットとデメリットがあります。また、お住いの屋根の状態や屋根材によって、どちらの工事が向いているかも変わります。
築年数や、今後どれくらい住み続けるのかを考慮し、住まい全体がより長持ちする施工方法を選択しましょう。
お住いの屋根リフォーム工事のご相談は、吉見スレート工業までお気軽にお問い合わせください。
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